『こんな感じ』 |
「ヨーロッパの旧い民家の、くすんだレンガが所どころ見える雰囲気で、、、『こんな感じ』です。」雑誌に載っている写真を見ながら語るオーナーさん。イタリア郷土料理のお店の客席を拡張する仕事で、その部屋のイメージを話し合っているときの一幕だ。
その写真には石造りに塗り壁の部屋が写っている。歳月を重ね、くすんで塗り壁も削れているが、それがなんとも言えずイイ雰囲気を醸し出している。
新しいモノを使い寸法的にバシッと決まった仕様であれば、図面をしっかり描けば現場は進む。…が、この『こんな感じ。』では図面での表現はかなり難しくなる。写真から得る部屋の雰囲気は、人によってビミョーに違ったりする。石の色合いや壁のデコボコした風合いなど、職人さんに仕上げてもらうのだが、職人さんはキレイに仕上げるのが本職だ。デコボコに仕上げることは職人さんの本業とは違うから、図面で謳うだけではオーナーさんの想いは伝わらない。
現場に貼りつきで左官屋さんと一緒に造っていくことにした。もちろんオーナーさんも一緒だ。3人で話し合いながら工事を進める。
「このへん、もうちょい凹凸あったほうがいいかも。。。」
「ここの石は無いほうが自然でいいかも?」
「この石、削れた感じになります?」「これでどうでしょう?」
自分でも壁に石を貼ってみる。コレが結構楽しい!…スタミナ切れでスグにまたバトンタッチしたが。。。
思えば久しぶりに感覚で進める仕事だ。
「料理って、感覚で進めることがあるんです。塩加減なんかをその場で変えたりすると、一層おいしくなったりするんです。この部屋もおんなじですよね。」穏やかに話すオーナーさんだが、料理とお店の雰囲気への強い想いが伝わってくる。オーナーさんの想いは僕たち創り手を熱くさせる。
明日は塗り壁の仕上げ工事だが、絶対雰囲気ある空間に仕上げたい。写真は、壁の凹凸を作っている左官屋さんです。いつもありがとうございます。
わずか3.5畳ほどの広さだが想いが詰まった空間。来店されたお客様においしい料理とワイン、そして雰囲気を楽しんで頂くお手伝いが出来て光栄である。
http://www.ric.hi-ho.ne.jp/viva-la-vita/index.html ←味と雰囲気にコダワっているそのお店、
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